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13.(上)ボウイング練習の7つのキモとあの栗饅頭の味

「よくあれだけ動きますね(*_*)」

「あんなに速く動かせないなぁ(-_-;)」

バイオリンの演奏を見たり、習いに来られる方々がよく注目されるのは、左手(指)の動き。

もちろん、左手はたくさんの音の場所を正確に押さえたり離したり、より美しくするためにビブラートをつけたり・・・と忙しく動かさないといけないので大変です。

が、バイオリンがバイオリンらしく響くために、重点をおかねばならないのが右手、右腕(もっというと右半身、いや身体全体なのですがまた別の機会に)。つまり、弓を持つ右手が大きな鍵を握ります。

そのため、私のレッスンではまず、弓の持ち方、動かし方(ボウイング、bowing、運弓)を行います(多くの教室でもそうだと思います)。

エッセンスの詰まった練習

弓の持ち方はここでは割愛しますが、ボウイングの練習の基本として有効なのがメトロノームを60(つまり1秒と同じ)に合わせて、開放弦(左指を押さえないで弾くこと。ゼロの指。)のD線もしくはA線を、ダウン(下げ弓:弓元から弓先へ)4拍、アップ(上げ弓:弓先から弓元へ)4拍で繰り返し弾くことです (まずD線、A線で練習するのは、身体を傾けることなく無理なく音が出しやすいからです)。

一応弓(^_^)v

これ、とても単調でつまらない練習のように思う方もいらっしゃるかもしれませんが、以下のようなエッセンスの詰まった練習なのです。

  1. 脱力の仕方
  2. 身体の重心の移り方の実感
  3. 駒に平行にまっすぐに弾くこと
  4. bpm60の感覚を身につけること(速さのめやすを覚える)
  5. 一定の速度で弾くこ
  6. 一定の音量で弾くこと
  7. 弓の配分を覚えること(この場合は4拍なので4等分。これで位置感覚が養われる)

などです。「イマイチきれいな音が出ない」という独学の方はこの練習をやった方が良いです(^^)

もう一つ言うと、3番の「駒に平行にまっすぐに弾くこと」は、自分では分かりにくいので、姿見(もしくは窓ガラス)が自分の右側になるようにバイオリンを構えて時々弓が駒に平行になっているか確認すると良いです(つまり12時の方角に向いてバイオリンを構えたら、3時の方角に姿見を置いて確認する)…

…3時?あの栗饅頭が食べたくなった(*^_^*)

練習の途中ですが・・・あの栗饅頭を思い出しました。食べたい・・・。

私、甘いものに限らず食の好き嫌いはありません(^^)。もちろん、食べたことのないものは好きか嫌いか分かりませんが、たいていのものは好きです。何でも美味しく食べられるってこれだけで幸せだなぁと思うこのごろ。

あ、練習中でした。

そうそう、このボウイングの練習をしていると初心者の方に言われることがあります。

「たくさんのこと考えながら弾かないといけないんですねー」

「そうなんですよねー」

でも、バイオリンに限ったことではありませんよね。

他の楽器でも、スポーツでも、料理、歩行、今こうやってブラインドタッチで文字を打つことでも…あなたや私が無意識にやっていることを分解して説明するとさまざまな筋肉の働きがあり、ものすごい文字数になる。でも実際はいかに効率よく筋肉を動かすかということを、無意識に「身体が考えて」やっているはずです。

車の運転をしていても、右折するときに、右に何度、どれくらいの速さでハンドルを動かす、とか頭で考えながら運転しませんよね。それ考えていたらあなたはきっと人間ではなく…AIでしょう(-_-;)

だからボウイングの練習も最初のうちは、意識的に色々と考えて(角度が何度とかは測りませんが)頭がパンクしそうになるかもしれませんが、少しずつやっていけばできます。

また、大人の方がバイオリンを習いに来られるとき

「私、もう○○歳なんですけど…、やっぱりバイオリンって子どもの頃から習わないとだめなんですよね」とおっしゃる方がよくおられます。

これ、本当によく言われるのですが、確かに…

子どもの頃から習うと、まだ柔らかい筋肉が、バイオリンの動きに馴染みやすくなります。全くバイオリンを触ったことのない大人の方はバイオリンを弾くための筋肉の動きを長い間、身体が知りません。

まぁ、そんな違いはありますね。しかし、あせらずゆっくり時間をかけてやることで筋肉が次第にバイオリンモードになっていきますよ。

そして何より、一般的に大人の方は子どもさんよりも「言葉」で理解を深められるというのが強みです。むしろ子どもさんより早くクリアできる課題も多いです。

それでも、大人の方は「これ以上、指が開きません(~_~;)」とか、「ここ無理!」ということが多々あります。もちろん、そのような場合も打つ手はあります(そこが教本片手に独学ではちょっとだけ難しいかもしれませんが)。

その人その人で打つ手は違ってくるので、ここで細かく申し上げられませんが、教本に書いてあるお手本を「ちょっと」変える工夫をして、「できる限り効率よく痛くない筋肉の使い方」をするのです。

また、大人の方がバイオリンを習う場合だけではなく、身体に障がいのある方が弾く場合も「工夫をする」という考え方は同じのようです(まだ私はレッスンしたことはありませんが、テレビで拝見しました)。

ですからどうぞ、「バイオリンやってみたい!」という方はお近くのバイオリン教室へ思い切って足を運んでみて下さい(たいてい無料体験レッスンなるものをやっていると思いますよ)。また、最近ではレンタルバイオリンで気軽に始める方も増えましたねー。ますますバイオリンを楽しむ方が増えると嬉しいです。

ドロシーみきこ音楽事務所でも、レッスンをやっていますので、お問合せ下さい(スケジュール等ご希望に添えない場合もありますことをご了承下さい)。

さて、ある栗饅頭のお話をまだしたかったのですが、ちょっとお腹も空いてきたのでこの辺で休憩。次回「13.(下)ボウイング練習のキモとあの栗饅頭の味」(←書きあがったらココがリンクになります)をお届けしたいと思います。

★2027(令和9)年ドロシーみきこは「ハチドリ芸術社」をつくって、「ハチドリ芸術バス」を走らせる!全国1750市区町村バイオリン行脚も作曲も講演もブログも全てはそのために!

2 thoughts on “13.(上)ボウイング練習の7つのキモとあの栗饅頭の味

  1. トモッチェ より:

    ボウイングの練習で、脱力の仕方、身体の重心の移り方を実感などを無意識に「身体が考えて」やるというのは、とても勉強になりますね。頭で考えていては、そこでつっかえてしまうんですよね。
    コーヒー焙煎も1ハゼあたりからこのモードに入らないと取り返しのつかないことになりますね。

    1. オンガッカ より:

      わぁ、さすがコーヒー屋さんからのコメント、恐縮です。
      なんとなく飲んでいるコーヒーにも思いを馳せて飲みまーす
      (^^ゞ

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